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 道徳教育論

 

道徳教育の方法11 心の傷

 

2015-2-5 校正3/18

 

心の傷

 

心が傷ついた、と大げさに騒ぐのが最近の日本人の特徴だ。では、心の傷とは何か? 

 

心の傷は、本人の考えが間違っていたと気づいた時に生じる。

 

例えば、「母親はすごくいい人」と思っていた子供が、母親が実は前科二犯、とわかったときのショック。自分の子供が純粋無垢と思い込んでいた母親。子供に嘘をつかれた時の母親のショック。

 

純粋な心は、現実を知るたびに、心は感じる。それが本人の想像よりも、よいときは、驚き、喜びとなる。本人が予想より悪い時は、ショック、心の傷となる。

 当初から犯罪者の町に住んでいると覚悟している人は、隣人が犯罪をして電波を飛ばしても、あまりショックではない。が、ここは平和な町と引っ越してきたのに、住民はアカの手先となって電波を飛ばして、悪さばかりしている者が大半を占めている、と気づいたら大ショックで心はとても傷つく。

 仲良しの友達が、影で私の悪口を言っていたら、大きな心の傷となる。だが、悪友が掲示板に自分を批判しても、そんなにショックではない。

 心が傷つく典型的なケース
 体育の時間に部屋に置いていた財布から現金を盗まれた。これは傷つく。
 自分の祖母が自殺して死んだ、とある日聞いた。これは心が傷つく。これは、そんなことにならないと思っていたから、傷つく。しかし、事実としては受け止めなくてはいけない。事故や犯罪に巻き込まれた時、心が傷つく。それは、思いもかけない悪い状況になったからだ。こういう不幸が襲うことで、心が傷つくのは避けなくはならない。しかし、その事実を隠すのはさらに悪い。

 ただ、価値観が逆の人もいる。犯罪者や悪人はそうである。万引きしても捕まらないと思っていた女が、店員に捕まった。それで心が傷ついた。今までつかまったことはなかったから・・・。正しい体験をしたのに、それで心が傷つく。こういう価値観が逆さまの人はいる。

 また犯罪の勧誘をする女も価値観が倒錯している。今まで多くの市民を騙して、勧誘に成功していた。しかし、ある時、物のわかった人に「電波を飛ばすことは犯罪よ。ただちにやめなさい。」ときつく叱られた。それでその女は傷ついた。犯罪を続けてきた自分の長年の習慣が否定されたと思ったからだ。

 これら価値観が狂っている人は、その歪んだ犯罪的な心根を正すために、おおいに心を傷つかなくてはならない。そして、その悪しき考えを傷つけ、壊し、なくすことが肝要である。彼・彼女が正しい考えを受け入れ、更生するまで。

 心を傷つけてはいけない、といわれる。が、全てにおいてそうではない。

 

 1, 善人は傷つけてはいけない。人を傷つけるには、その人に悪いことをしなくてはいけない。それはしてはいけない。善人の心の傷とする。

 2, が、悪人の心は、善人になるまでどんどん傷つけ、犯罪者の心は壊さなくていけない。これは悪心の心の傷と呼ぶことにする。

 

  3, 知らなくてはいけない真実を知らない人は、その人がたとえ傷ついても、それを適切な時期に教えなくてはいけない。いつまでも真実を隠して、嘘を信じ込ませるほうが悪いからだ。これは無知による心の傷、と呼ぶことにする。

 「心が傷ついた」といえば、いつでも被害者面できるとは、限らない。一般的には善人を傷つけてはいけない。悪人の心は更生のため、傷つけてよい。何も知らないようにいつまでも無知なままにしておくのもよくない。

 

 それら状況別に、心の傷をより深く考えさせるべきである。

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