漫才 電波犯罪被害者


 じゅんちゃん 『いやあ、このごろ、頭痛がしてよ。耳鳴りするし、おれ噂の犯罪電波ってやつで、やられてたよ。』

ふくちゃん 『ブルータスク。お前もか。』

じゅんちゃん 『そうなんだよ。電波で、人を痛めつけたり、盗聴したりする犯罪の。』

ふくちゃん 『かわいそう。医者に行ったのか?』

じゅんちゃん 『近くの442病院。通称、ヨヨニ病院に行ったよ。』

ふくちゃん 医者のふり『ネクスト、カモーン。』

じゅんちゃん 『英語かよ。あのー頭が突然痛くなって、耳鳴りがするんです。』

ふくちゃん 『ずばり、干渉低周波電波ですね!!』

じゅんちゃん 『えっ、もう病名がわかったのですか。』

ふくちゃん 『医者の直感です。』

じゅんちゃん 『ちゃんと診察してくださいよ。』

ふくちゃん 『いつから痛みがありますか。』

じゅんちゃん 『一昨日からずっと、痛くて、痛くて、』

ふくちゃん 『その前日に何か食べましたか。』

じゅんちゃん 『えっと、キャビアとフォアグラと、鴨の臓器を。』

ふくちゃん 『看護婦さん、嘘発見器もってきて。』

じゅんちゃん 『ちゃんと言いますよ。まつたけと、松坂牛と、ふぐです。』

ふくちゃん 『見栄を張らなくていいですから、正直に言ってください。』

じゅんちゃん 『朝は、自然の恵みいっぱいの北海道から朝一番で届けられた新鮮なお祝い農場牛乳と、』

ふくちゃん 『営業は、ここでしなくていいですから。』

じゅんちゃん 『営業ではなく、宣伝です。』

ふくちゃん 『(独り言で)アムウェイかよ。(ふりむいて)、では、昼は?』

じゅんちゃん 『朝のパンはふっくら焼き立てで香ばしい香りのハウスパンです。』

ふくちゃん 『営業は、結構です。』

じゅんちゃん 『昼は、フランスグリコーニュ地方原産の・・・・。』

ふくちゃん 『食あたりではないようですね。とりあえず、服を脱いでください。』

じゅんちゃん 『まだ、あったのに。はい。』

ふくちゃん 『ずぼんも脱いでください。』

じゅんちゃん 『ずぼんもですか。』しぶしぶ脱ぐ。

ふくちゃん 『赤パンですか。じゃあ、触りますよ。』、と頭をおさえ、『ここがいたいですか?それとも、ここですか。』。

じゅんちゃん 『そこです。そこ。ズキズキします。』

ふくちゃん 『私のことが好きなのですか?』

じゅんちゃん 『痛いんです。』

ふくちゃん 『はい。わかりました。服を着てください。』

じゅんちゃん 『服を脱ぐ意味なんにもなかったじゃん。』

ふくちゃん 『耳鳴りはどのようにするのですか。』

じゅんちゃん 『扇風機の前でしゃべったみたいに。』とそんな声を演じる。

ふくちゃん 『重症ですね。扇風機難聴です。』とそんな声を演じる。

じゅんちゃん 『そのままやん。』

ふくちゃん 『どうも、頭痛と耳鳴りは、電波犯罪被害の症状と似ていますね。心臓も痛くはないですか。』

じゅんちゃん 『心臓も時々、痛くなります。』

ふくちゃん 『家にいるほど、傷みが強くて、外出すると、少しは楽になりませんか?』

じゅんちゃん 『その通りです。』

ふくちゃん 『あなたは、右翼ですか。それとも、信徒ですか。社長か重役ですか。もしかして、ブルジョワジーですか(外人風の発音)?』

じゅんちゃん 小さな声で『この医者通だな。リアリティあるなぁ。』と言って、『いいえ違います。私は、ヒラだし、右翼というより、無欲です(オヤジギャグ)。どこの会員でもないです。』

ふくちゃん 『じゃあ、あなたは、電波系ブラックリストにはのっていませんよ。ただの神経症でしょう。』

じゅんちゃん 『何ですか。それ。』

ふくちゃん 『電波系ブラックリスト。通称、デンリク(電話リクエスト)。』

じゅんちゃん 『違うだろう!!』

ふくちゃん 『その電波犯罪被害者の裏名簿である。』

じゅんちゃん 『・・・・そういえば、四日前、』

ふくちゃん 『何か心あたりがあるのですか。』

じゅんちゃん 『近所の犬が、うるさいので、家の前に行って、五分間、犬にほえて、かみついて、脅したらおとなしくなった。』

ふくちゃん 『犬に大人がムキになってはいけませんよ。』

じゅんちゃん 『誰もみてなかったよ。』

ふくちゃん 『見られていたのです。ばれたのです。』

じゅんちゃん 『なぜわかるのです。』

ふくちゃん 『私は、医者です。その飼い主の恨みを買ったわけだ。』

じゅんちゃん 『そういえばその家の主婦、俺のところにきて、近所のAさんは夜にヨガ体操を隠れてやってるから、××ムだと、やたら近所の内実に詳しかった。』

ふくちゃん 『そうでしょう。その主婦は多分アカですよ。では、犯罪電波が原因かどうかしらべてみましょう。看護婦さん、電波チェッカーもってきて。』

ふくちゃん 電波チェッカーで調べる動作。『あーこれは、ひどい。同情しますよ。』

じゅんちゃん 『同情するなら金をくれ。』

ふくちゃん 『あなたは、登録番号、#0538、嘘の三八ですね。筋肉が硬直するコブラツイスト型電波と、盗聴波を浴びています。』

じゅんちゃん 『やっぱり電波が原因なんですね。』

ふくちゃん 『まあまあ冷静になって、もっと調べてみましょう。被害者は、国民総背番号制になっているんですよ。あなたの番号は、#0538です。マイナーだな。』

じゅんちゃん 『マイナーって何?』

ふくちゃん 『マイナーがあるから、メジャーもあります。ちなみに栄光の背番号3は、(間をもたせて)王貞治です。』

じゅんちゃん 『長島じゃないのかよ。』

ふくちゃん コンピュータで検索する。『ありました。ありました。』

ふくちゃん ナレーターとなって、『医者は、このあと、予想だにしなかった驚くべき光景を、目撃する。』

ふくちゃん 医者のふり『あっ、』と、相手の本人と名前を見比べる。

じゅんちゃん 『どうしたのですか。』

ふくちゃん 『あなたのデータはありました。確かに、電波犯罪の被害者です。筋肉痛と盗聴電波が主婦Aによって、三日前から当てられていると書かれています。』

じゅんちゃん 『筋肉痛電波って何ですか?』

ふくちゃん 『筋肉痛電波を全身に浴びせられると、×山キンニクンになれます。キンニクも踊ります。』

じゅんちゃん 『俺にもコンピューター見せてください。』

ふくちゃん 『いえ、これは会員制ですから。だめです。』

じゅんちゃん 『いいだろう。』

ふくちゃん 『どうしても、だめです。』

じゅんちゃん 『じゃあ、これでも、』と五十円玉を見せる。

ふくちゃん 『はい。いいですよ。』

じゅんちゃん コンピューター画面を見ると、自分のデータが書かれてある。

ふくちゃん 『あの主婦、絶対に許さない。』

じゅんちゃん 『まあまあ冷静になって、実は、あなたはマインドコントロールされています。』

じゅんちゃん 『私がですか。私は、正常ですよ。』 ふくちゃん 『あなたは、何歳ですか。』

じゅんちゃん 『ぴちぴちの25歳ですよ。』

ふくちゃん 『間違ってます!!しみ、そばかす、いくらケアしても、肌年齢は40さい。小じわは隠しようがありません。』

じゅんちゃん 『えっ!?』

ふくちゃん 『生え際の後退26mm、メラニン色素は、顔全体で、平均より70パーセント多く4個。コギャル並みです。』

じゅんちゃん 『少なすぎないか??』

ふくちゃん 『まさか、あなたは、顔が白いと思ってませんか。』

じゅんちゃん 『そんなの嘘です。私は、つるつる美白です。』

ふくちゃん 『鏡を見てください。』

じゅんちゃん 『あっ、ジグロだ。レゲエだ。茶髪だ。』

ふくちゃん 『嘘ではありません。電リクにも全部書いてあります。あなたの実年齢は、40歳です。それから、今朝7時50分に起きて、朝ごはんに味噌汁ご飯を食べましたね。』

じゅんちゃん 『はい。』

ふくちゃん 『そのとき、鼻歌で、さざえさんの歌を歌っていたでしょう。(歌いながら、)買い物しようと町まででかけたら〜〜、財布を忘れて、愉快なさざえさん。』

じゅんちゃん 『なぜ知っているんですか。』

ふくちゃん 『あなたは、財布をもっていません。』

じゅんちゃん ポケットを探る。『財布がない。どうしてわかるんですか。』

ふくちゃん 『財布はソファの上に落ちています。心配いりません。』

じゅんちゃん 『なんでそこまでわかるのだよー』

ふくちゃん 『書いてあります。しかし、君は、いやなやつににらまれたようですね。同情するよ。』

じゅんちゃん 『同情するなら金をくれ。』

ふくちゃん 『主婦は、表の顔は、専業主婦。裏の顔は、世田谷のがん細胞、一度くいついたら、相手を病院送りにするまでけっして離れないへびのような女、通称まむしの竜だよ。』

じゅんちゃん 『それ男のあだ名だよ。そうか。だから、病院にきたんだ。』

ふくちゃん 『はい。』

じゅんちゃん 『はいって、何?もしかして俺が来るのは予定ずみ?』

ふくちゃん 『はい。まむしの竜さんから予約が入っています。』

じゅんちゃん 『勝手に予約するなよ。怖すぎるよ。もう帰るよ。こんなとこ。』

ふくちゃん 『いえ、まだ帰しません。あなたは家を出るときに何をつぶやきましたか。』

じゅんちゃん 『えっ、まだ何かあるのですか。』

ふくちゃん 『今日は時間がないから我慢して、やぶ病院のやぶ医者のやぶな診察にでも受けに行こうか、とつぶやいたでしょう。』

じゅんちゃん 『それは・・・』

ふくちゃん 『私は、やぶではありません。謝りますか。謝ったら、解放しますが。』

じゅんちゃん 『医者も怖いよ。謝りますよ。謝ります。あなたは、名医です。』

ふくちゃん 『声が小さい。もっと大きく。』

じゅんちゃん 『あなたは名医(メリー)です。』

ふくちゃん 『まぁよろしい。さぁ、治療をはじめます。』

じゅんちゃん 『今までのは、なんだったんですか。』

ふくちゃん 『診察です。では、治療をはじめます。では、ゆきます。マインドコントロール解除スタート。』

ふくちゃん 『あなたの本名はなんですか。』

じゅんちゃん 『大阪太郎です。』

ふくちゃん 『あなたの住所はどこですか。』

じゅんちゃん 『大阪です。あっ!???違う。俺の名前が変わっている。どうして!?』

ふくちゃん 『あなたの本当の名前は、鈴××男です。家は、宗男ハウスです。』

じゅんちゃん 『そうだよ。思い出したよ。す×きむ×おだよ。マインドコントロールを解いてくれて、ありがとう。』

ふくちゃん 『元通りになってよかったですね。』

じゅんちゃん 『ありがとうございます。』

ふくちゃん 『頭痛を抑える薬を出しておきますから、それをのんでください。警察に行って、くださいね。』

じゅんちゃん 『やっぱり、電波犯罪被害だったよ。警察に行って、被害届けも出したよ。ところで、お前の名前何だったっけ?』

ふくちゃん 『鈴××男だよ。』

じゅんちゃん, ふくちゃん『ありがとうございました。』


 02-5-9  校正 2015/4/20

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