映画「真っ赤な告白」


 映画の要約

 

 数年ぶりに日本に帰った美人女優Aは、景気が悪いはずなのに、世相が明るい日本に、違和感を覚える。ある日、ファンレターを受け取ると、電波犯罪に巻き込まれたから助けてほしい、あなたの国際的活躍を見込んで、世界に訴えてほしいというものがあった。聞いたこともない犯罪なので、無視していたら、翌日、古い友人が突然やってきて、君はマーク(盗聴)されているよと忠告される。この前受け取った君のファンは、共産(犯罪組織のコミュニスト)が監視している電波犯罪被害者でマスコミに訴えている。そのメールを受け取ったからだろう。と言われる。誰も知らないはずなのにと、動揺するA。その夜、不安で、ボーイフレンドを呼ぶ。翌日、二通目のファンレターが届く。それには、告発のお礼に、そちらの傷心を直すプログラムを送る。とある。そこには、他人にはけっして知られないような自分だけしか知らない情報がある。そして、カウンセリングは完璧なものがあった。Aは、なぜ知っているの?そして、これだけの知能。この人物何者?と驚く。その日の昼にもいきなり、古い友人が訪ねてきて、あいつに関わるなと忠告される。そして、古い友人がラジオを取り出すと、ファンの盗聴が聞こえる。日本全国で聞けるといわれる。さらにインターネットで、ファンの監視サイトがあることを教えてくれる。そこでファンの経歴を見る。彼は、サイキッカーであり、将来、新しい分野を開拓しうると期待された元心理学博士である。なんらかの理由で職場を追われて、今は自宅で、執筆活動をしている人物。電波犯罪被害を受け、それを秘密サイトで訴えている。彼の言ったことは現実化するとあった。犯罪組織のコミュニストの間では、有名な人物。彼の行動は24時間盗聴され、すべての電子メールはハッキングされている。

 彼のサイキックな能力の紹介がある。電波発信者は、どんなに遠くでも、その場所の映像が見えて、暗い姿で、犯人のおぼろげなものを感じる。感情だけを読み取れる。電波を出したらすぐに、特定することができる。と。女優はそれを読み、驚愕する。才能のすごさに目を見張る一方で、こんなインターネットサイトが作られて、警察の取り締まりさえ受けない日本は、裏社会に支配されているのではないかと恐れる。


 翌日またファンレターが届く。今度は、「私の事情を知ったようだね。君には勇気がある。巨大組織に臆せず、闘うことを、決意してくれ。けっして、コミュニストに屈しないでくれ。ただ告発してくれればいいんだ。」と、Aは社会派を目指していたので、犯罪被害には関心があり、心は揺れる。しかし、私は女優。そんなものに巻き込まれるのはごめんだな。と、思う。それが盗聴者に聞こえる。盗聴者は、Aは、関わらないと安心する。

 Aは、日本の映画の収録のために、スタジオにゆくと、みんなの様子がいつもと違って変だ。何かよそよそしく対応する。そして、突然、こんなことを言うスタッフもいる。「今は、大事なときだ。女優業に専念すべきだよ。」、休憩中にも、「君は世界を目指していたね。日本のことには首をつっこむな。」と強い調子で警告される。車での移動中、親しい友人が、こっそりと打ち明けてくれる。「車の中は盗聴されない。あなたのことは、みんな知っているわ。」と、日本の芸能界には、危険人物情報がすぐに出回り、いまやコミュニストの強い支配を受けていることを告白してくれる。そして「告発しようとしたら、コミュニストに狙われるわ。」と言われる。Aは「私がそんなことするわけないじゃない。」と返す。

 翌日、ファンレターが届く。Aはそれを読まずに削除しようとするが、思いなおして読むことにする。

 「私は君を巻き添えにはしたくない。君を狙っている電波ストーカーの位置を調べたよ。そのリストを送る。」とあった。確かに、ここ数日、頭痛や耳鳴りがしていたから、盗聴されていたと思い、女優は、その日のうちに、ストーカーだと、警察には一応、訴える。すると警察は、証拠がないからととりあってもらえない。怒って警察署から帰り、古い友人に連絡すると、電波検出器をもってきてくれた。三日後、それで、検出して、証拠をとって警察にもってゆくと、今度は、「確かに、電波が出ているのはわかりますが、そんな犯罪きいたことがありません。世間はそんな犯罪誰も知りませんよ。」と相手にしてもらえない。そこで、かなり怒ったAは、勢い、テレビ局に話をもってゆく。電波ストーカーを訴えると言うと、出てきた担当者は、同情するが、上司に話をもってゆくために、席を立ち、しばらくして、部屋に戻ってくると、「放送はできません。」という。「そんな犯罪は、日本には存在しません。」と、さっきとは打って変わった冷たい態度になる。

 マスコミは、電波犯罪を隠蔽しようとしている。そのことに気づき、共産の支配力の大きさをおそろしく感じる。どうしようもないとあきらめの気持ちになって家に帰ると、親しい友人からドライブに行こうと誘われる。高速を飛ばして誰もいない山間部にゆくと、打ち明けられる。「マスコミに訴えても駄目よ。あいつらは、一年前から、コミュニストの犯罪を知りながら、何もしなかったのよ。今はつるんでいるわ。」と日本のマスコミがコミュニストに支配されている実態を聞かされ、女優Aは、恐ろしくなる。「日本はいつのまにかスパイ天国になっている。」と思う。

終章、レジスタントの結成と、告発

 テレビ局に電波ストーカーを告発しようとしたが、追い返された女優Aは、敵の巨大さに途方にくれる。その日の夜、心臓が痛むのは電波犯罪の一つで共産の警告だった。親しい友人は、「女優がゴシップのネタになることはやめたほうがよい。もうそんなことはやめろよ。」と忠告する。翌日、ファンレターが届く。「君は勇気があるよ。しかし残念だったね。私も1年前から告発したが、マスコミは報道しない。マスコミも監視されていて、コミュニストが怖くて、報道できない。」と励まされる。

昼に、自分の盗聴サイトが新しく開かれたことを、古い友人に教えてもらう。一週間後、それを盗聴の証拠にすることを思いついた女優Aは、警察にそれを記録したフロッピーをもって提出する。警察はようやく被害届けを受理する。女優Aは、安堵するが、二週間たっても、警察から何の連絡もない。古い友人がやってきて、「警察には新種の電波検出器がない。だから(決定的証拠をつかめず)、あてにならない。」という。愕然とする女優A。「日本の警察は人権意識が薄い。」と思う。

とうとう、女優Aはファンレターの人物に、メールを送り相談する。返信がくる。「警察はマスコミを動かさなくてはだめだ。それには告発するしかない。レジスタンスを結成すべきだ。しかし、君の近くには裏切り者がいる。」と。数日後、ひそかに、女優Aは、ボーイフレンドと親しい友人と、古い友人の三人を集めて、ドライブに出かけて、告発の方法を考える。日本のマスコミが駄目なら外国のマスコミに告発するという周りくどいことを思いつく。日本のマスコミがその記事を取り上げ、日本で報道されるだろう。

早速 秘密裏に、準備にとりかかる。そして、コミュニストにばれそうになる一瞬もあるが、告発VTRが完成する。それを外国のマスコミにテープを送信しようとしたときに、トラブルが起こる。当日、親しい友人が渡したテープが偽物だったのだ。裏切り者が判明する。計画は台無しになったと思われたその時、古い友人が、本物のテープをもってきて、送信して、外国の放送に間に合う。

そして、外国のテレビで、日本の奇妙な犯罪と報道される。それが日本のマスコミで取り上げられ、電波犯罪が告発される。そして、巨大コミュニスト組織の犯罪が公になり、警察はようやく動き、巨大組織はつぶれる。

以上。

解説

 個々の場面について、上記は、標準的なパターンに沿ったラフな構成です。元心理学者の才能は一つも登場しませんし、大きな危機もなく、緊張の場面もありません。というわけで、肉付けしてゆきます。

 シナリオ演出案

 裏切り者の判明について
 上記では、偽テープを渡して、放送の妨害をしようとして裏切り者がばれるがあまりにありきたりなので、元心理学者の魔法でばれるという案。魔法で、人からある波動を出させることができる。それを電波検出器で調べて、裏切り者を探すという設定にする。ぶどうと苺。ぶどうが出たら裏切りものだと言うことにする。古い友人に真っ先に、その魔法をかけるが、苺だった。が、親しい友人がまさかそんなことはないと思ってしなかったが、最後にそれをしたら、ぶどうの波動が彼から出たという設定。親しい友人を信頼したくて、それを女優Aは隠していたが、偽テープを渡されたので、ついにあきらめがつく。

 演出
 元心理学者は、組織からは狙われず、活動は自由だ。それは、彼の記す告発以後の社会の変移の予想シナリオを、コミュニストがほしがったため、心理学者は、組織にとって利用価値があるとする。それで元心理学者の行動が自由の説明がつく。

 演出
 なぜ殺されないか。コミュニストは殺すと警察が動くので、電波犯罪や自分たちの存在もばれるからしない。と生かされる説明をする。

 演出
 元心理学者がサイキストなので、コミュニスト組織のおかかえサイキストと対決する。組織は殺すなと命じるが、共産サイキッカーは個人的な恨みから、殺そうと企む。

 演出
 ソウルメイト。魂の伴侶。女優Aが途方にくれたとき、告発に反対するボーイフレンドと仲たがいして、別れる。それを察知した元心理学者は、勇気づける人物が必要だろうと、サイキック能力で、女優Aのソウルメイト(この場合は、伴侶のこと)をみつける。そして劇的に再会して、新しい仲間になる。

 演出
 日本国内に限定すると外国で放送できないので、ファンメールはエチオピア経由にする。外国のマスコミは西洋のどこか。世界的なスケールも出す。

 演出
 日本の先の総理が心臓発作で亡くなった事件は、このコミュニストの支配を告発しようとしたため、という噂話も採用して、敵の巨大さを感じさせる。

 演出
 元心理学者は、やがて電波被害者の一人として、社会で注目される。

 演出
 電波機器は、旧ソ連の秘密電磁波兵器が日本に流れてきた物が、改良されたメイドインジャパンにする。世界的なスケール。

 演出
 盗聴サイトを読むと、外国の大物俳優が日本にきたときの様子が、本人の言葉や思考まで、記録されているという。世界が喜ぶので、そんな話をいくつか用意する。集めて、記録する。

 演出
 観衆の志向に合わせ、セクシーな場面や緊張感のある場面を作る。

以上

 02-11-12 校正 2015/4/20

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