社会 

 

 

三橋貴明氏は、"国債の日銀引受" をほめた

2014-12-30

 最近、本屋で立ち読みした。ある雑誌に、記憶では、三橋貴明氏の論文と思うが、安倍政権は国の借金を減らすことをやった、と評価するものがあった。

 安倍政権は、赤字財政を大きくしているようにみえる。が、実は、ある方法で、赤字を減らす策に出た。実にすばらしい。それは、日銀の国債引受である。

 政府が国債を発行して、借金する。日銀がそれを買い、政府に金を払う。日銀は政府の一部だから、政府は日銀への借金は払わなくてもよい。だが、日銀は国債分のお金を政府に払わなくてはいけない。そうやって、政府はお金を作った。しかも、国債の借金がチャラ。

 私はこの点では、政府は低劣な経済学者の抵抗を押し切って、大胆な策に出たと思っていた。が、誰もそう書かないから、日本の経済評論家にできるのがいないのかな、と思っていた。が、そこをちゃんとみている人もいた。

 これは、お金を政府が刷るといういわゆる禁じ手(あまり根拠はなくそういわれている)から、経済学者は顔をしかめる。しかし、お金というのは、株の相場で増えたり減ったり、全体量は大きく変動する。さらに、途上国の数千億の借金を帳消しにすることも多々ある。民間では、企業の倒産、自己破産で、借金をなくすこともある。

 つまり、お金をなくすことは、ほうぼうで行なわれている。それは年間に何千億、何兆、債務処理で消えてゆくか、統計もないほどだ。調べた人はいるだろうけど、経済学の通でないと、こういうデータは知らない。これらお金が多少なくなっても、経済全体では影響は小さい、と思われている。もしくは国の債務を消すことは経済にプラス、と思われている。お金をなくすことは許容されがちだ。そして、お金をなくすと、デフレになる。

 が、政府がお金を作ることだけが、とかくインフレになる、と非難される。お金の増減は同じように評価されなくてはいけない。よって、政府がお金を作るのだけを非難する経済学は、バランスが悪い。株相場の上昇で、ある日、お金は突然に生じるのだ。こういうのは、大きな理由がなく大量に資金が増えているのだから、私は経済的な大問題と思えるのだが、それは許容されている。

 つまり、お金が多少なくなることが全体に影響が小さいなら、お金を多少増やすことも、さほど大きな影響はない。要は、経済学的には、お金を刷ってもどうってことはない。

 安倍政権は、デフレが嫌いだから、為替以外の方法で日銀引受で、インフレした。しかも、国の借金まで減らした。経済学者も舌をまく強腕である。

 

 資料 格差大国・アメリカの後を追う日本 (日経サイトより)

 

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