社会 

 

 

資本主義は最低2050年まで世界で拡大する

 

2015-3-16 校正4/7

 



 私は大阪市立大学の経済学部卒だ。マル経は講義に出なくても、必須だから試験に貨幣論を書いて合格してやった。あまり経済史や詳しいことは忘れた。最近の経済学者はいい加減な感じを受ける。非主流派が大きな顔をしている。

私は入学して、三ヶ月で経済学に見切りをつけ、経営学ばかり勉強していた。が、まるっきり知らないわけではない。
 昨今の経済学者の過ちを、経営学(組織形態論)の観点からではなく、経済学的にも、あばいてみたい。うまくゆくかな。

 

資本主義は最低2050年まで世界で拡大する

 

 成長率が低い、ゼロ、と一部経済学者は騒ぐ。このままでは資本主義が終焉する、と。が、私には強い違和感がある。この日本人経済学者の主張は、視野狭窄ではないだろうか? 本当に経済成長率が止まったのだろうか?

 これは簡単に検証できる。経済成長(GDP)の長期見通しをみればよい。現在から、GDPが将来も変わっていないならば、ゼロだ。

 イギリスのPWCの調査『2050年の世界』(2013年度)では、
 日本が2011年に4531*(10億ドル)、2030年に5842、2050年に8065とほぼ倍増する。
 購買力平価ベースの計算らしい。

 日本人の一部経済学者は成長してないと悲観的だが、イギリスでは日本は成長している、とみているようだ。

実質成長率かどうかが、問題なのだろう。しかし、実質成長とは何か?
 経済学においては、名目成長率と実質成長率がある。名目成長率とは、物価上昇分を含めた成長率。なので、実質成長率が、本当により経済的に豊かになったかを示す値だ。
 購買力平価ベースとは何だろう? ちょっと忘れた。物価上昇を含めるのかな。含まないのかな。成長率は日本が2%だった。

 どちらにしろ、経済学の"実質成長率"はあてにならない

年々よりよいPCが開発されている。が、ほとんど新しい製品も同じ値段で買える。安くなるもののほうが多い。経済学ではそれは、価格安なので、衰退となる。進歩しても、衰退とみなされてしまう。

 ゼロ成長だから、経済は発展していないという主張は、値段だけみている者の言葉だ。実質経済では、とらえられない製品の質の向上、社会の進歩はある。

 

 社会が実際に成長しているか、貨幣ではっきりわからない。これを『実質成長率の罠』と呼んでおこう。

 インフレでもデフレでもないのに、同じ値段で買えるものが、現実では日々品質向上する。同じ値段のお菓子が、菓子職人の工夫で、少しずつうまくなっている。もしくは材料費が上がったから、菓子は安上がりに作ったかもしれない。

 経済学のいう実質成長率では、それは数字に表れない。実質成長率ばかりにこだわると、真の成長やマイナスがみえなくなる。そして短絡的な判断をしがちだ。

 実際は社会は創意工夫して、改善するから、全体的に少しずつ商品の質をあがる。社会は成長する。

 特に、経済成長がゼロと盛んに言い立てて、資本主義が終焉すると単純にものを言う輩は、こういう金にならない質の向上は捨象しがちだ。実質成長率をそのまま社会の成長率と信じこんでしまっている。

 

 社会は毎年いい製品が手に入るようになった。生活は便利になった。しかし、経済学者だけは、GNPが変わってない、去年と何も変わってない。生活はよくなっていない、と騒ぎ立てる。彼らの言葉は信用できなくなっている。 

 経済学者もこの程度のことは知っている。だが、つい実質成長率が低いから、社会の成長は止まった、と言いたくなるらしい。資本主義は終焉、とそれ一筋で、世間を騙してしまう。悪い癖だ。世間に何かそれで印象づけることはできる。が、そんな物言いは、経済学の同業者には通じない。それもまた経済学者はわかっている。

 しかし、実質ゼロ成長だから、社会の進歩が止まっている、と経済指標の誤解みたいなのを、さも正しいかのようにいつまでも言っていたら、信用されなくなる。そんな安っぽいことを言い続けたら、いずれ経済学が現実をとらえきれないから、不要ということになってしまうだろう。

 まだそこまで見抜いて発言する人は現れていないようだが。経済学不要という極論に至ってないが。

 ゼロ成長=資本主義の終焉、と言う経済学者も、その見解の根拠が弱いことは自覚している。だから、その理論的な欠陥を補うために、彼らはいろいろ根拠を別に探している。一方では、経済学が社会の進歩を本当に現すか? それを血眼になって検証している。『大停滞』の話だ。結局はここにゆく。これは今度にする。

 今回は、世界経済は成長している。それは数字では明らかだ。2050年までずっと拡大する。名目とか実質とか、あまり厳密に区別する必要はない。成長していれば、それで成長だ。なぜなら、経済学では本当の成長は数字に出ないのだから。

 

 極度のインフレでなければ、それで世界経済はうまくいっている。経済学は本当は、大雑把でよいのだ。家計や財政ではあるまいし。その間、世界は成長しているとみてよい。先進国が停滞しても、世界の資本主義は年々拡大している。よって、まだ、資本主義の終焉を唱えるのは早い。これが結論である。


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