短編 犯罪被害者の親族が電波犯罪で犯人に復讐


犯罪被害者の親族が電波犯罪で犯人に復讐

とある戦後を揺るがした大事件の被害者の親の話としよう。
彼は、小学校の娘を殺人事件で失って、悲しみにあけくれていた。何もする気も起こらなかった。犯罪者を罰してほしい。それだけが彼の願いだった。だが、そんな心の隙間に、電波犯罪組織の魔の手が伸びる。それは、彼の母、老婆の言葉だった。
「電波機器を知っているかい?それで人を殺すこともできるのよ。それを使って、犯罪者を私たちの手で罰しなさいよ。」
彼は、頭を縦にはふらなかった。犯罪被害者の親である。犯罪で人を苦しめることだけは絶対にしたくなかった。母につっぱねた。
「そんなことは、したくありません。」
老婆は、残念そうに思った。そして、息子をあわれに思った老婆、それは六十に近いのだが、息子に代わって、一人復讐することにした。
老婆は、息子に言った。
「私が代わりに、犯罪者をやっつけているわ。」
毎日のように、電波機器の出力を最大にして、心臓攻撃にして、犯罪者のとらわれている留置所のところに、向けて放った。

その老婆の顔は、どんどんゆがんでいった。とても醜く、犯罪者のあの得体のしれない不気味さがにじみでて、怖い顔になっていった。その老婆の精神は、地獄に落ちたのだ。
息子は、電波機器で母が犯罪をしていることを察知した。
「そんなことはやめてください。そんなことをしても、娘(小学生の)はうかばれません。逆に、娘が悲しみます。」
老婆、復讐の鬼になっていた。その息子の願いも聞き入れなかった。そのときには、とても不気味で醜い形相に成り果てていた。電波犯罪の魔に魅入られていた。この後、何年か後に、老婆は電波犯罪者に特有の副作用によって、死ぬ。

電波犯罪はどんなに力がなく弱い人でも相手を痛めつけることができます。だから、その誘惑にかかりやすいのです。しかし犯罪です。けっしてしないようにしましょう。

2003/03/07 編集 校正 2015/4/20

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