発達心理 developmental psychology

 

 発達心理論

 

 

 発達心理9 知性期後期 13-14才(中学生)の発達心理 2015-2-25 校正3/15

 

 知性期後半

 昨日は知性期前半をみた。そんな暗めの精神をもつ人はいる。今日は、もっと高等な人たち、知性期後半の哲学、中2,中3の精神、そこで精神が固まった知的で明るい人の特徴を調べる。

 

 発達心理表


タイプ    年齢(才) 課題 世紀 思想、特徴
空間主義者 21-24  空間 21-24   空間、
↑全体理性者 20-21 電子 21    電子、インターネット的
↑複雑理性者 18-20  社会 20-21  社会、経営学、社会論
↑単純理性後期 16-17 外的理性 18-19  理性、カント、ヘーゲル
↑単純理性前期 15-16 内的理性 17-19  理性、デカルト、経験主義
↑知性者後期 13-14  外的力 13-16  ルネサンス以後、足利文化的
↑知性者前期 12-13  内的な力 13-16  ストア哲学、鎌倉仏教
↑感覚主義者 9-11   感性 9-11   貴族 
 感覚主義者 5-8   内感 5-8   王()

 

 知性期後半 その年代

 知性期後半は、室町幕府が始まった1336年以降をさす。また終わりはデカルトの自我の目覚めが起きた1600年頃。江戸時代の1600年前とする。

 

 理由は、1600年頃に活躍するデカルトは合理主義である。理性を探求していた。行動規則や運動、力とは、まったく違ったテーマを追いかけた。知性期はデカルト以前だ。また室町幕府が終わるのは、1580年頃。その頃に、一時代が終わったと考えた。

 知性期後期  1330 - 1600年  300年間だ。

 

 かなり長い。いずれ細かく区分したい。

 

 どういう人々がこの段階の精神か?

 知的な人だ。難しいことを言うことが好きな人たちではない。明るく、知的なタイプが多いる。正義がどうのこうのと自己中心的な世界を作りたがるタイプではない。外部の理性や知性について、物分かりがよく、明るいものを好む。人文(人間)主義的である。いわゆる健全な知性をもち、哲学にそう歪みがない人は、この段階の精神をもつ。目は白く輝く傾向がある。

 

 発達心理の年齢は何歳か?

 人類にとって100年は人の1年とする。しかし、13-1600年だから、13-16才とすると、おかしくなる。高校生(15才)は中学生と明らかに、タイプが異なる。世界中で高校生は、ハイスクールと中学生とは分けている。中学生は内向的だ。高校生は外交的である。よって、12-14才が、知性期の年齢とする。前半は、12-13才4ヶ月。後半は13才4ヶ月-14才である。

 

 中2の夏-中3の精神とは

 この段階は、知性期の後半だ。15才で高1になると、理性を探求する。その前の精神だ。また知性前期(中1,12-13才)の精神でもない。彼ら若者は、何に関心をもち、どんな課題を探求しているのだろうか?

 

 発達課題以外の面でも成長する

 社会の探求を発達課題とした20世紀は、社会改革ばかりをしたわけではない。科学や工業技術も発展させ、芸術も表現した。人間は総合的に文化を開花させる。その段階は、特定の課題をもつとしても、感覚、知性、理性、社会だけでなく、あらゆる面で認識を拡大させる。ここでは発達課題を中心に論じるが、その他の面でも発達する。

 

 知性期の発達課題の整理


 前期は、「力の探求」を探求した。
 一つの力 → 持続力(長距離走) → 複雑な力(踊り、コンビネーションジャブ) → 完全、精密、完璧をめざす(力の比較、効率、正義) → 自己が力で満ちる (最終段階)→ 自分より強く大きな力 → 外部の力 (突破)


 後期も同じように、「外部の力」を探求する。

 外に自分と同等の力の発見(人、象、猫、ねずみ)→ 複数の力、自分より大きな・小さな力 → 多数の力、絡み合う力 → グループの力、大きな力の中に小さな力 → 全体的な力 自然の力 → 地球の力、宇宙の力、無限 → 力の統一(ブレイクスルー)

 

 力の認識は、以上のように発展するだろう。

 

 13-14才は何を考察するか?

 それは哲学を調べ明らかにする。対応する思想年代は、1330-1600年だ。この期間の哲学から、13-14才の関心をつきとめる。ルネッサンスで、人文主義の時代だ。この期間の哲学者は以下だ(wikiより)。

 

14世紀前半
パドヴァのマルシリウス(1275- 1342年) ストア哲学 政治思想 人民の法()
ジャン・ビュリダン(1295年頃 - 1358年) 中世の哲学 科学の走り 慣性
オッカムのウィリアム(1285年 - 1347年 ) 中世の哲学 神の光がなくても、人間には科学的な思考が可能。

 

14世紀後半
ニコル・オレーム(1323-1382年) 中世の哲学 科学の走り、自然主義
フランチェスコ・ペトラルカ(1304-1374年) 人文主義、古文の再興
ジョヴァンニ・ボッカッチョ(1313-1375年) 人間主義

 

15世紀
マルシリオ・フィチーノ(1433-1499年) 理性と知性 魔術
ジョヴァンニ・ピーコ・デッラ・ミランドラ(1463-1494年) カバラ 自由意志、人間は小さな宇宙で、何から何まである。

 

16世紀
ニッコロ・マキャヴェッリ(1469-1527年) 軍事・政治
フランチェスコ・グイチャルディーニ (1483-1540年) 歴史家
トマス・モア(Thomas More、1478-1535年) ユートピア
ヒエロニムス 1466- 1536年
ミシェル・エケム・ド・モンテーニュ 1533- 1592年 哲学者。エセー。正義への懐疑。
ジョルダーノ・ブルーノ(1548- 1600年 宇宙は有限でなく無限。地動説。
マルティン・ルター(1483- 1546年) 神でなく人のイエスに従う?

 

 どうやら知性期の後半は、300年もあり、簡単ではないらしい。

 

14世紀
 前半はストア哲学や信仰を排除する。オッカムは神がなくても思考できることを説いた。ジャン・ビュリダンは科学的な態度を強めた。前半に中世からの脱皮した。後半には、人文主義がしだいに強まった。

 

15世紀
 不思議なことに、カバラなど魔術が入り込む。科学が起きつつあった時代に。この段階は、ダビンチ(1452- 1519年)が現れ、個人の技術は高まった。ラファエロ・サンティ(1483- 1520年)も活躍した。

 

16世紀
 この段階では、マキャベリが軍事論を述べ、ユートピアなど社会改革の案も出て、技術は、個人のものではなく、社会のものとなった感がある。社会論が多く出始める。ミケランジェロ・ブオナローティ(1475-1564年)。

 

 大きく世紀ごとに3段階あるようだ。14世紀は、人文主義の素朴なものが目立つから、外部の力を感じ取る時期とする。15世紀は、個人の力を行使する事(技術)や思想が高まった時期とする。16世紀は社会的集団の技術や思想が高まった時期とする。

 

 まとめ

 この段階は外部の力を認識する。それは、3段階ある。

 

1,見て、触って、聞いて、外界の「力」を感覚で測定する時期。

2,個人の力を行使する時期(技術を使いたがる) 

3,集団の力を行使する時期(社会的な力を知る)。

 

これらが13,14才の課題とする。人間に、知性期後半の人格は3タイプ(外の力を感じる派、個人で使いたがるタイプ、社会的な力を論じるのが好きなタイプ)いる、と今回は把握した。

 

 発達心理の教育法 13-14才

 中学生は、自分でやりたがり、指導するとすぐに反抗する。扱いにくい。が、彼らの発達課題さえ知ると、適切に彼らの関心を満たせる。昨日は、12才から13才3ヶ月の課題を説明した。運動させたり、マニュアル通りに動作をさせたりする。力や運動を考えさせると。彼らの興味をひく。

 今日は、13才4ヶ月から14才の発達課題を明らかにしたい。これは人類史と発達心理は一致する、という仮説から導けるものだ。理論的なものだ。検証は今後の課題だ。

 この段階の特徴

 ルネッサンスと同じ精神をもつ。明るい物事を好み、人間主義(人文主義)的だ。また力学を好む。破壊、軍事なども好む。腕力は使いたがる。スポーツも大好きだ。

この段階は大きく3つにわかれる。約21ヶ月ある。それぞれ約7ヶ月としよう。よって

知性期後期

1, 外部の力を感覚で知る 13才4-10ヶ月
2, 個人の力を知る 13才11ヶ月-14才5ヶ月
3, 社会的な力を知る 14才6-11ヶ月

となる。

 知性期後半1 外部の力を感覚で知る
 この段階では、気楽な人文主義の小説を話してもよい。精神はその思想と一致するからだ。が、「力」に興味をもつから、それを刺激する。運動や力学を教えるのがよい。やぼったい制服は、この段階では脱ぎ捨てよう。この時期は、ファッションに走らせてもよい。学生服などやぼったいものを着せると、本人の精神発達に阻害する。

 知性期後半2 個人の力を知る
 この頃には、素朴な運動論では満足しなくなる。高度な技能を教え込む。たとえば、剣道や囲碁(盤上の力学)など特にスポーツを教えると吸収が一番よい。絵画でもよいが、なんでも技能を教え込むとよく身につける。ただ人の話を聞いて、学ぶだけでは満足しない。実践したがる。だから、何か技能を教える。心はルネサンスと同じ。なので、あらゆる技能は教えてよい。

  知性期後半3 社会的な力を知る
 この段階は、集団で何か物を作らせる。もしくは、個人のものを社会的に発表させる。社会の力関係などを教える。マキャベリのように武器や軍事や政治など、直接、国家が力を使うものにも興味をもつ。頭の中は、ルネサンスなので芸術にも強い興味をもつはずだ。ただ社会活動の意欲は低い。

 以上が、思想史から導き出した13-14才の発達心理だ。彼らはこんなことに興味をもつ。それを満たすような教材を与え、彼らの内面の成長を促そう。

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