発達心理 developmental psychology

 

 発達心理論

 

発達心理2 9-11才の課題 感覚的 2015-2-16 校正3/14



 前回は、発達心理を解明する新しいアプローチを提案した。1,個人の年齢ごとの関心を調べる。2, 発達心理と人類の思想史は一致するから、人類の思想史から発達心理を解き明かす。

 

9-11才の課題 感覚的

 

 青年期の一段階は3年

今日は、発達心理の青年期以前のテーマについて記す。
 これまで青年期の課題はつきとめた。15才から理性(合理主義)、18才から社会、20-22才頃に社会である。では、15才以前は何か? 昨日の簡単な議論では、"力"もしくは"知性"だった。表にする。

西暦(年) 1200-1500 1500-1900 1900-2030 2030-2500
時代     武家     理性    社会   空間  
年齢(才) 12-14      15-17   18-20?   21-24
課題      力      理性    社会   空間

 ここからみえてくること。理性に関心をもつのは、約3年である。若いうちは、3年で区切る。これは仮説だ。

 

 力(知性)を探求する段階は12-14才

15才は理性を感じはじめる。力をテーマにするのはその3年前の12才からとする。中学生は12才だ。日本人は、中学生と小学生を12才でわけるのがよい、と明治以来、伝統的に考えている。その年齢を発達心理上の区切りとした。

 

 力(知性)の前の段階は、9-11才

 すると、それ以前の段階は9-11才となる。この時期の関心は?
 正直、私は覚えてない。12才以後は日記をつけていた。が、小学校高学年は、遊んでばかりいたから、自分の関心がひとまとめのジャンルになる、とは気づかなかった。発達心理学にこの年齢を扱うものはない。そこから目安は得られない。

 

 他の方法で探る。発達心理は思想史と一致する。

12-14才の発達テーマは力だ。それは武家政治と同じ課題だ。9-12才は、武家政治以前と同じ課題、と考える。

 

その時代からヒントを得る。武家政治から、力による支配が始まった。武家政治の段階では、力に人類は関心をもった。その前は、何に?

 それは平安の貴族政治の時代だ。貴族文化では、華美なものが好まれ、自然を鑑賞することが好きで、あまり争うことなく、のどかにすごしていた。

 

 貴族の時代の特徴は

 1 王の統治ではないこと。"王"は、個人では、自分の意思という意味合いがある。例えば、絶対王政の16-17世紀は理性の時代だった。自分の意思がテーマになるときは、王が大事な役割を担う。貴族は王のとりまき。テーマは自分の意思に関わるものではなく、その周辺にあるもの、だ。

 2,争いを好まないで、平安は華美で観照的な文化が発達した。力に関心をあまりもってなくて、感覚的なものを好んだ。感覚は直接は、意思ではない。

 つまり、この時期は、感覚に関心をもつ、と推測した。

 

 実際に小学校高学年の子供は「感覚的」

 発達心理と思想史は一致する。すると、武家時代の前は貴族時代。その時に感覚をテーマにした。よって、力をテーマにする中学生以前、小学生は感覚に興味をもつ。これでよいだろうか?


 確かに、小学生高学年は感覚的だ。きれいなものを好む。趣向が歪んだ大人は暗いものを好むが、子供は好まない。中学生になると、暗いものを好むの者も一部に現れる。が、小学生はほぼ全員、明るく、きれいなものを好む。これは感覚志向が強いためだ。他に明るいきれいなものを好むのは、ルネッサンス以後である。そんな精神をもつ人もそうだ。

 子供は難しい論理をこねくりまわすことを得意ともしない。知性的なタイプではない。だが、子供は快楽主義的ではない。ここは、はっきりと根拠を示すことはできないが、感覚的なものをテーマにもつ段階と、仮定してみたい。実は、これには別の決定的な理由もあるのだが。

 まとめ
 9-11才は、感覚的なものに関心をもつ きれいなものを好む。楽しく明るいものを好む。視覚(光)、皮膚感覚、五感を統合することがテーマだ。

 

 6-8才のテーマは何か?

 乳幼児期は発達心理がかなり解明されている。しかし、ここでは大雑把にとらえよう。この時期は、私の体験からは何もいえない。そんなに記憶がないからだ。

 

  思想史から考える

 歴史から考える。9-11才が平安期の精神と似る。それより前は、平安期以前で、5-7世紀だ。その頃は、王政である。また奈良などに大仏殿など巨大建築が盛んに作られた時代でもある。信仰も厚かった。

 

 実際の子供の関心は?

  実際に、この頃の子供は何に関心をもつか?
 発達心理だから、子供の興味を直接調べるとよい。だが、過去、それは何度も行なわれたが、私のような分類法をした者はいない。発達心理学の理論には残ってない。
 この時期、音楽を学習させるとよく覚える。やはり、聴覚など、内的な感覚がよく発達するのではないだろうか。
 感覚主義ではないとしたら、何か? 音を聞き分ける段階かもしれない。これは候補だ。実際、今回の議論でははっきりしかった。課題として残そう。

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