洗脳の理論と技術

 

洗脳の理論と技術

 電波犯罪では共産主義イデオロギーに反対する人物に対して、マインドコントロールが試みられた。どのようなものが行われただろうか。洗脳の理論や技術を公開すると、マネをする人が出て、犯罪の拡散につながるから、今まで書きたくなかったが、肝心の技術を省くことで、それらを阻止する。

 

 初期のマインドコントロール   パブロフの犬(賞罰)方式

 1998年に盗聴が始まる以前は、もっぱら対象が投稿やインターネットに書き込みをしたら、それにより賞罰を与えるパブロフの犬形式だった。共産主義批判の投稿をして、翌日それが新聞に掲載されたら、投稿者に対して頭痛などが引き起こされた。そして、共産主義にシンパ的な発言をインターネットですると、それら電波による苦痛はなくされた。そんな賞罰式のマインドコントロールが行われた。

 理論 単純な賞罰式
 技術 苦痛を与える電波、そのスイッチによるON、OFF、対象の思想活動の資料と判定
 効果 たいていの被害者は何を基準に楽になったかすらわからない。なし

 

 思想テープ放送や思想教育

さらに、その頃には電波に強制的に共産主義のテープをのせて、流すものが行われた。内耳にそんな電波を浴びせて、聞こえさせる類である。本人には何も聞こえないもので、潜在意識に植え付けるのが目的だったようだ。しかし、それは全く効果がなく、思想が変わることはなかった。私は何度も共産主義の某党員の演説テープや講義テープらしきものを聞かされたような記憶があるが、何か言葉が話しているらしいことはわかるが、正確に何を言っていたかわからなかったし、はっきり聞こえたことは一度もなく、共産主義に対する考えは全く変わらなかった。

 理論 潜在意識への植え付け
 技術 ・電波による内耳への刺激(聞こえない類) ・思想テープ
 効果 本人には何も聞こえない。なし

 

 『EQ』を悪用した単純な脳内操作

 が、『EQ-心の知能指数』(ダニエル・ゴールドマン)が1995年に日本で出版されると事情は激変する。当初は、脳内を適当に刺激して、活動の低下を行うことが行われた。それは洗脳ではなく、脳の一部を単純に刺激して、神経の活動を低下させるものにすぎなかった。敵対する思想者に対しては、意志を弱くするべく意志をつかさどる前頭葉の一部に対して、継続的な電波による刺激が与えられ、機能を阻害した。それらはずっと行われた。

 理論 脳内操作 
 技術 脳神経への電波による電気刺激
 効果 脳機能(意志、記憶)の低下 低い
 問題点 操作者にも被害が起こる

 

 盗聴の開始

 が、1997年9月に盗聴が始まってからは、全く変わった。盗聴は97年9月当初は骨振動によるものだったが、それは頭骨に振動するほどの話し声しか盗聴することはできなくて、1ヶ月の10月には別の部位を盗聴することに代わり、それで思考や会話が盗聴された。

 

 盗聴に連動した洗脳

 が、当初はやはりパブロフの犬の延長だった。共産主義に敵対することを考えると、その間盗聴していた人物が、苦痛を与えるスイッチを押す。そうやって、被害者を苦しめるものが主なものだった。

 理論 賞罰方式
 技術 ・盗聴(思考・会話)  ・電波による苦痛
 効果 特定の言葉を考えづらくなるが、理由はわからないので、なし

 中期のマインドコントロール   精密機器の登場で洗脳が本格的に

さらに精密機器も開発され、複雑なプログラムされた干渉を行えるようになり、この時より洗脳が本格的に行われるようになった。盗聴が始まると、細かい言動や考えに対して、賞罰が行われて、反共的な事を考えると脳内に圧迫を与え、共産主義に対してシンパ的なことを考えると、それらを緩めて元気にさせようとしていた。

 

 『EQ』を利用した複雑な情動操作

それまでの単純な賞罰方式ではなく、精密機器でプログラムによる複雑な感情や情動操作が行われるようになった。

が、結局その方法も単に感情機能が低下するだけで、思想の洗脳には全く効果がないことが、やがて経験的にわかると、操作者も副作用で脳内の機能が低下するために、しだいに2002年頃からは行われなくなった。

 理論  情動操作
 技術  ・脳神経への電波による刺激、・プログラミングされた複雑な刺激、・盗聴
 効果  情動・感情・意志・記憶などの低下
 問題点 操作者にも多大な影響が出る

 

 『語りかけ』による洗脳

 もっとも効果があったのは『語りかけ』の洗脳である。ほとんどの被害者は被害すら自覚することがないが、被害者の一部には、語りかけるとはっきりと本人だけ聞こえる声で、どこにいても耳をふさいでも聞こえる人物がいた。彼らに対して、語りかけることで、直接、本人の意識に影響を与え、洗脳することかできた。脅したり、間違った情報を与え、何時間でも執拗にえんえんと語りかけ、時には苦痛を与え、心身共に苦しめた。やがては、キチガイとみせかけることができた。洗脳、つまり親共産化はしかし、専門的な心理プログラムを組める者がいなかったために、成功しなかった。ほとんどは単なる嫌がらせに終始した。

 理論 常時聞こえる空耳、誰かの声
 技術 ・聴覚の部位への電気的刺激による語りかけ、盗聴
 効果 脅迫や情報付与など絶大、だが洗脳は心理プログラムが必要
 問題点 犯人の会話や声が記録されてしまう。

 

 洗脳の成功の唯一の事例

 が、『語りかけ』の中で、それで対象を直接コントロールできた例が稀にある。犯罪者は脅し、苦痛を与え続け、被害者を抵抗できなくさせる。時には人間的な優しさをみせる手口で、信頼を得ようとする。そして、被害者が心身共に疲労して、最後に言われるままに動くようになったケースである。ただし、これは対象が納得している完全な洗脳ではなく、電波による暴力と脅迫によって強制的に命令した行動をとらせるにすぎない。被害者体験談を読むと、それら犯人の脅迫に負けて、とうとう犯人の命令の通りに、万引きや、したくないことまでしたという話がある。これは古典的な洗脳である。監禁して、脅迫や暴力で脅して、命令した行動を強制させるものである。昔日本軍捕虜が中国内の収容所内で監禁されて、一時的に服従したものに似ている。本人は一つも納得していない。

よって、正確にはこれを洗脳が成功した事例に数えることはできない。というのは本人の信条は何も変わっていないからである。

 

 ストックホルム症候群はない


 語りかけがなされた被害者の一部の中で、犯人の声を長期にわたって聞き続けるケースがあった。が、その多くは、犯人と長時間、盗聴と語りかけによる一方的な嫌がらせなど会話が行われたにもかかわらず、犯人に対し、恐怖や暴力で怖い者と恐れるだけで、犯人に親近感をいだくケースはほとんどなかった。

 

 最近のマインドコントロール

 

 洗脳の失敗

 結局、古典的な賞罰式の方法からは最新の脳神経科学を用いたものまであらゆるマインドコントロールが試みられたが、ことごとく失敗した。

 被害者も洗脳により、人格が改造されたケースはない。得たいのしれない犯罪者を自覚したために、それらにより長期の監視・盗聴に耐えられず、精神が破綻したケースはあるにしても、洗脳といえるものが成功した事例はほとんどない。

 新しい電波という技術によるものだしても、身体への苦痛、感情や脳機能の低下などマイナスの方法によるマインドコントロールは失敗した。今度はプラスの感情によるマインドコントロールが試みられている。が、果たしてうまくゆくだろうか。

 

 まとめ


 電波犯罪では、あらゆるマインドコントロールが試された。が、ほとんど成功することはなかった。人間の信条は複雑で、それらを変えるには、自発的な意志が必要で、外部からの強制的な刺激では、たとえそれが電波によるものでも、なかなか変えることはできないのである。洗脳はまだ現在、完成されていない。洗脳する技術は高度なものがあったが、操作者は心理カリュキュラム一つ一つ立てて計画的に行われたものはごくわずかな例しかない。ほとんどは無線機の操作者の思いつきによる脅しと中傷しか行われなくて、洗脳は実現しなかった。ハードはあっても、ソフトがなかった。

 

3-8-26 校正2015/4/11

 

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