漫才 刑事告訴


 完成度1パーセント(ネタ数1)

 登場人物  犬ちゃん、猫ちゃん

 

犬ちゃん、大阪からやってきました。
猫ちゃん、アイケイムフロム大阪。
二人で、ネコズでーす。

猫、もう秋風が吹いて、涼しい。
犬、トンボも飛んでいるし、イナゴも道端にいるし、食欲の秋です。
猫、トンボだけでなく、電波も飛んでいるよね。
犬、不法電波。みなさん、不法電波は人の迷惑になるから出すのはやめましょう。
猫、何、電波管理局みたいなことを。
犬、不法電波は犯罪です。
猫、それテレビで2度だけ、CMで見たことあるよ。部屋の中に無線機たくさんあって、その中に刑事が踏み込んで、電磁波チェッカーをあちこち調べて、メーター見ると、『不法電波発見!!』てな。
犬、いや、違うよ。青い色の背景にビジネスマンみたいなのが1人立っていて、白い文字で『不法電波は犯罪です。』とテロップが出るやつ。見たことないのか?
猫、ない。
犬、あら、彼らはな、デューラスって、日本国中の電波監視システムを張り巡らせて、大型レーダーで見張ってるんだぞ。
猫、俺も、お前を見張っている。(とじろっとにらみつける。)
犬、怖いなぁ。そのデューラスに反応があったら、電波監視カーを現場に急行させて、

スタート。
猫、本部です。ただいま、関東の某県、某市の某町方面から、不法電波をキャッチしました。電波監視カーの権兵衛さん、すぐにかけつけてください。
犬、はい権兵衛です。現場に向かっています。おっみつけました。電波が止まる前に発見に成功しました。犯人はどうも君の家から電波が出ています。警察に通報してください。不法電波の証拠のデータを携帯で送ります。
猫、はい、証拠のデータは受け取りました。警察に連絡しました。権兵衛さん。待機してください。
犬、わかりました。これから私は一人二役。警察官もやります。どうぞ。
猫、はい。私はどうも君です。

犬、ピンポーン。あのどうも君のお宅ですか?あなたの家から、不法電波が出ていたので、捜索します。これが捜索礼状です。
猫、はっ?(扉を閉めようとする動作。)
犬、(扉にくつをはさみ、閉められないようにして、時計を見て、)。証拠はもうとってあるのです。今から無線機のスイッチを止めても遅いですよ。時刻確認して、3時半です。入りますよ。
猫、(あきらめる。)、堪忍します。どうぞ。
犬、どこですか?
猫、この部屋です。人生の終わりだぁ。会社も辞めなくてはいけなし、職を失う。がーん。
犬、それは署で伺いましょう。と、部屋の写真をぱちぱちとって、無線機を押収してゆく。

署内
犬、被害者から被害届けが出てたんだ。刑事告訴しますよ。弁護士は誰ですか?
猫、えっ?弁護士なんて、いません。
犬、じゃあ、弁護士会館が隣にありますから、そこで相談してください。
猫、どうも君の家族のふり。どうものやつ、電波出すなんて何考えてんだ。弁護士なんか頼んだことないから、いくらかかるかもわからない。ここか。
犬、(弁護士会館の受付)何かお困りですか。
猫、いえね、うちの娘のどうも君が、犯罪を犯して、刑事告訴されるそうだから、弁護士を頼みたいのだけど。
犬、弁護士の紹介ですね。わかりました。はい。これが関東左弁護士会に所属する弁護士です。ちなみに、これは関東右弁護士会に所属する弁護士です。
猫、右と左の違いは何ですか?
犬、国家権力に抗うのが専門なのが、左弁護士会でございます。犯罪をしたのならば、どちらでもかまわないのですが。
猫、弁護士もイデオロギー分裂しているよ。
犬、どちらになさいますか?
猫、そうだな。左弁護士会にしようかな。
犬、そちらはよくないですよ。企業の弁護士とかしてなくて、貧乏ですから。
猫、いえ、決めました。左弁護士会にします。
犬、料金も高いのですよ。やめたほうが・・・
猫、(忠告もきかないで、名簿をもって、左弁護士階の三階に登る。)すげーなここが、反権力の巣窟か。
犬、左弁護士会の斉藤ネタミです。何か御用ですか?
猫、娘のどうも君が、電波犯罪で捕まりまして、刑事告訴になりそうなので、助けてください。
犬、はいはい。ということは同志ですな。電波を浴びせてそれがみつかったということですか。私がちょうどその専門の弁護士です。偶然、ここにきて出会えて、よかったですね。さあ、話を伺いましょう。
猫、ぺちゃらくちゃら。
犬、娘のどうも君は、大変なことをしましたね。しかし、私がいれば安心です。任せてください。
猫、どうも君を助けていただけるのでしょうか。
犬、はい。私どもはその訴訟の経験が豊富にあります。では、事務所に来てください。
犬、えものが一匹来たよ。早速、とりかかるとするか。えっと、まずはお金を用意してください。刑事告訴ですから、着手金が三十万円です。

猫、そんなに高いのですか?
犬、これは安いほうですよ。世間の相場です。高いところでは五十万円もとるところもあるのですよ。私共は、良心的です。で、このままだと娘のどうも君は、電波法に触れて、懲役1年半以下または、10万円以下の罰金です。さらに刑法の傷害罪にもなります。
猫、えっ、そんなに罪が重いのですか?
犬、ええ。この場合は証拠がきっちりありまして、無罪にはなるのは難しいです。しかし、実刑になると、仕事も辞めなくてはならないし、つらいですよ。なんとか執行猶予をとりましょう。しかし、それには、被害者と示談しなくてはいけませんね。
猫、被害者に示談したら、執行猶予がつくのですか?
犬、はいはい。反省の意志があるということで、実刑はまぬがれるでしょう。
猫、では示談してください。
犬、はいわかりました。ここに契約書にお願いいたします。
猫、はい、わかりました。とはんこを押す。

裁判が始まり、弁護士にいろいろと話して、被害者と示談したおかげで、罪も軽くなり、執行猶予がつく。

どうも君は、被害者には百万円の被害補償を支払う。判決もその反省の意志が認められ、情状酌量されて、懲役二年罰金十五万円となるが、執行猶予3年がつく。

 

猫、この度はありがとうございました。おかげで、娘のどうも君も実刑になることなく、無事、執行猶予がつきました。
犬、斉藤ねたみです。よかったたですね。ところで、料金をお支払いできるでしょうか。250万円です。
猫、えっ、250万円ですか?
犬、そうですよ。そこに料金の明細表があるでしょう。間違いがないか確認してください。

猫、刑事告訴の着手金。三十万円。それだけだと思っていた。
犬、そんなことありえないですよ。着手金と成功報酬が決まってますから。
猫、成功報酬が30万円??
犬、ええまぁ、最低料金です。
猫、書類代が、1枚三万円で、計80万円。
犬、専門の書式がありまして、そのくらいかかります。1枚五万円とるところもありますよ。
猫、示談が三十万円?
犬、示談は別に料金があります。
猫、示談の出張費用が60万円?
犬、被害者を事務所に呼びつけるわけにはいけませんから、私どもが被害者にまでおわびにゆき話し合いします。出張は一回10万円の計6回ですね。
猫、書類代が、20万円
犬、示談書と公正証書にするので、それぞれ10万円です。
猫、しめて、250万円。あたふたする。

犬、娘のどうもさんは無事に執行猶予がついてよかったですね。誰のおかげと思っているのですか?
猫、ねたみさんの尽力のおかげです。
犬、そうでしょう。そうでしょう。本来ならば、三百万円かかるところですよ。それがたったの250万円。私どももあなた方にサービスしています。

犬、猫 ありがとうございました。

 03-9-14 校正 2015/4/20

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